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機能性表示食品制度のガイドライン改正

 高齢化社会へと突き進んでいるわが国では今、空前の健康ブームが起きています。健康ブームを支えているのが、1991年に開始された特定保健用食品、2001年から始められた栄養機能性食品を含めた保健機能食品制度、そして2015年4月に新たな制度として施行された機能性表示食品制度である。機能性表示食品制度は今年で4年目を迎え、その届出数は6月11日現在で1382件となりました。制度を利用し販売に至った食品はその売り上げを好調に伸ばしているようです。

 3月28日、消費者庁は3回目となる「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」の改正を公表しました。

 同日に行われた記者会見において、赤﨑暢彦(消費者庁食品表示企画課長)氏は、「かなり大幅な修正」と説明しており、消費者へのメリットはもちろん、機能性表示食品メーカーにとって、これまで以上の大きなビジネスチャンスが存在していることは間違いないでしょう。
今回の改正によって、「対象となる機能性関与成分の拡大」が行われ、新たに「糖質・糖類」が対象に追加されました。ガイドラインには「栄養源(エネルギー源)とされる成分(ぶどう糖、果糖、ガラクトース、しょ糖、乳糖、麦芽糖及びでんぷん等)を除いた糖質、糖類が対象成分になる」としたうえで、例として、糖質には、キシリトール、エリスリトール、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)、糖類には L-アラビノース、パラチノース、ラクチュロースが挙がっています。
 4月24日時点での糖質・糖類の届出事例はありませんが、今後の主体となるのはおそらくオリゴ糖だと言えるでしょう。すでに特定保健用食品では整腸作用で6種類が認められており、ヒト試験でのエビデンスも存在します。これらについては、システマティック・レビューによる整腸作用での実施が最も早い届出受理と考えられます。
 一方で、オリゴ糖の機能性として期待の高い、血糖値、血清脂質や中性脂肪の上昇抑制作用などは、届出に必要とされるヒト試験レベルでのエビデンスが十分ではなく、今後、その需要は増すことが予想されます。各種試験実施に必要な専門知識・設備をそなえた食品試験受託企業は、その存在感を強めていくことになるでしょう。