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コホート研究的手法による・ランダム化比較試験のマーケティング効果

機能性表示食品制度に対する消費者の認知度が年々高まってきています。まだ正確に制度の内容が消費者に伝わっているとは言い難く、これからの発展が見込まれる制度と言えます。

半面、累計届出数が2,500件を超え、機能性表示食品として届出しても他の機能性表示食品との差別化が難しくなってきていることも事実です。

2011年に、R-1乳酸菌を長期間摂取した佐賀県有田町に住む小中学生のインフルエンザ感染傾向などが紹介されました。有田町のデータでは、隣接する地区と比較してインフルエンザ(A/B/新型)の感染率が低く、統計学的に有意差があることが明らかになりました。
当時、ニュースでも話題となり、R-1乳酸菌の販売数が飛躍的に伸びたことを記憶しております。

R-1乳酸菌の事例はいわゆる「予防効果」に関するものですので、機能性表示食品や特定保健用食品としての運用は出来ません。
弊社でも、食品原料の「予防効果」に関する研究のご相談は多いのですが、景品表示表や薬機法との関係で、マーケティングに関して一様に苦労されていると感じます。

更に、臨床研究法が運用開始されたことにより、被験者を患者とする研究のハードルが期間面・コスト面でも上がっている現状を考えると、ほぼプレスリリースのみで販売促進費をほとんど掛けずに初期プロモーションに成功しているR-1乳酸菌の事例の意義は深いと感じます。

生活習慣病や認知症等、年齢が上がる毎に発症率が上がることが一般的な事実となっている症状の場合、発症率が上昇し始める年齢群に対して、 3年~10年単位/300人~1,000人規模で、コホート研究的手法でランダム化比較試験を実施し、発症率を調査・研究する場合のコストは、5000万円~数億円規模になることが見込まれますが、
マーケティングコストを考えると、特に長期的に主力の位置付けである商品の場合においては、十分な費用対効果を出すことが可能と思われます。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
■ランダム化比較試験
ランダム化比較試験(ランダムかひかくしけん、RCT:Randomized Controlled Trial)とは、評価のバイアス(偏り)を避け、客観的に治療効果を評価することを目的とした研究試験の方法である。従って根拠に基づく医療において、このランダム化比較試験を複数集め解析したメタアナリシスに次ぐ、根拠の質の高い研究手法である。主に医療分野で用いられているが、経済学においても取り入れられている。略称はRCTである。

■コホート研究
コホート研究(コホートけんきゅう、英語: cohort study)とは分析疫学における手法の1つであり、特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生の関連を調べる観察的研究である。要因対照研究(factor-control study)とも呼ばれる。