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機能性表示食品の免疫表示の科学的根拠

  昨年夏に機能性表示食品において免疫ヘルスクレームの製品が受理されて以降、いまだに新規成分による製品が受理されていない。そうした状況で、日本抗加齢協会が今年5月から機能性表示食品の免疫機能表示のエビデンスに関する検討に着手。消費者庁をオブザーバーに迎え、免疫を専門とする学識者による検討会を行い、3回の検討を経て、(1)免疫指標について、(2)自然免疫、獲得免疫について、(3)臨床試験、(4)被験者数――に関する「考え方」をまとめた。

  (1)の免疫指標について、すでに受理されている「樹状細胞の活性化」に加えて、食細胞活性、NK細胞活性ほか、有用な免疫指標を複数例示。「考え方」に記載した指標以外に、科学的根拠が説明できる指標の使用も構わないとしつつ、これらの免疫指標が「複数動いていることが望ましい」とした。
単一指標でも免疫全体を調整していることの根拠となりうるケースに言及。考え方では、「用いた指標が免疫全体を調整することを科学的に説明できることが重要」で、科学的に免疫全体を調整する作用機序を記載することが必要とした。

  (2)の自然免疫・獲得免疫は、「双方を調整していることが望ましい」としたうえで、自然免疫のみでも構わないとした。ただし自然免疫のみの場合、「免疫全体を調整することが科学的に説明できないとならない」としている。

  免疫指標について、既に受理されている樹状細胞の活性化に加え、食細胞活性、NK 細胞活 性、T細胞(CD4T細胞)増殖性・活性化、分泌型 IgA抗体濃度なども免疫指標として有用である。これ指標以外にも、科学的根拠が説明できる指標を使用することも構わないが、これらの免疫指標が複数動いていることが望ましい。しかし、単一の指標でも、さらに下流に応答した免疫指標に類似した指標(サイトカインなど)が動き、局所及び体全体のクリニカルアウトカムが合理的に説明できれば、免疫全体を調整していることの根拠となりうる。また、用いた指標が免疫全体を調整することを科学的に説明できることが重要であり、科学的に免疫全体を調整する作用機序を記載することが必要である。

  臨床試験について、免疫指標とクリニカルアウトカムを同じ臨床試験で評価することが望ましい(サブグループにて両者を同時に評価できる場合は評価することでも十分である)。一方、両者を同時に評価していない場合は、両者を結びつける合理的な説明が必要で、免疫指標とクリニカルアウトカムをつなげる外 挿性の説明が必要である(あるいは説明できる免疫指標を測定し、科学的な合理性の記載が必要である)。

健康産業新聞記事引用
抗加齢協会HP引用