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肌分野への新規参入

  機能性表示食品が2015年のスタート以降、累計数2,989品となりました。2019年度の受理数は882品、前年度比28%増で過去最高を更新しています。機能性別に見ると過半数が、「体脂肪、血圧、血糖値」などの「従来トクホ型」で「ストレス、疲労」「認知機能」「肌」などがそれに続きます。関与成分では「GABA」が、これまで最も多かった「難消化性デキストリン」を抜いて290品と最多、抜かれた「難消化デキストリン」も288品であり、この2トップに「EPA・DHA」「イチョウ葉」などが続いています。運用5年目にして受理事業者数は743者、そのうち200者が2019年度の新規受理事業者でした。数字からも昨年度の勢いが窺い知れます。消費者への認知度はなかなか上がらないものの、今年の市場は3,007億円と予想され、3,400億円のトクホ市場を脅かす存在にまで成長しました。そんな機能性表示食品の中に、一つの素材で複数のヘルスクレームに成功する例があります。

  三和酒類株式会社のサプリメント「リフティングGABA」が機能性表示食品として受理されました。「GABAには、肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助ける機能があることが報告されています。肌の乾燥が気になる方に適しています。」と表示され、GABAでは初となる「肌弾力の維持」を謳っています。麦焼酎「いいちこ」が全国的にも有名な三和酒類は、焼酎、清酒、ワイン、ブランデーなど幅広く手がける総合醸造企業ですが、同社はその焼酎の醸造過程で得られる副産物の有効利用として、機能性素材「大麦乳酸発酵液ギャバ」を独自に開発しています。

  この素材は、すでに「睡眠の質の向上」「疲労感・ストレス」「活気・活力」「血圧調整」の4つの機能性で受理実績がありましたが、今回「リフティングGABA」が受理されたことで、5つの機能性を持つ素材となったのです。これまで、肌分野での機能性表示は「潤い」や「保湿」に関するものが多くを占め、他社との差別化に頭を悩ませる状況でした。GABA配合で「肌の弾力」を謳える商品開発が可能になったことで、現時点での受理数最多「GABA」を関与成分とした機能性表示食品が、今後ますます活性化することは間違いないでしょう。そして三和酒類もこの受理実績を持って、新市場の開拓に大きく乗り出すことが予想されます。

  最近は、男女を問わずスキンケアへの関心が高まっています。機能性別でも肌分野は7%と決して大きくはなく、新規参入での勝機には充分な余地があると言えるでしょう。弊社では肌弾力を評価する臨床試験も受託しております。まずはご相談、お問い合わせを心よりお待ちしております。